※個人の臨床実例・臨床経験からの使い分けです。参考程度に見てください。
※皆様のご経験から「○○という咳症状に○○という漢方薬が処方されていました」など、他に臨床実例あれば教えてください。
※各処方について解説の要望ございましたらコメントか、下記のメモをご活用ください。
【教えて漢方】質問募集用メモ【ワダ漢方】
https://yakuterrace.com/u/kouta2/wp2gessbhabnrr
 

小柴胡湯加桔梗石膏(しょうさいことうかききょうせっこう)

●咳症状のほかに「のどの痛みやのどの渇き」を訴える患者さんが多いイメージ。
●小柴胡湯(しょうさいことう)に去痰・抗炎症作用のある桔梗(ききょう)と消渇・抗炎症作用ある石膏(せっこう)を加えたもので、より咳症状に特化した漢方薬。
●風邪をひいて時間が経過して、咳が出始めたなんて時にも使える。
 

麦門冬湯(ばくもんどうとう)

●「咳が1度出始めるとなかなか咳が止まらず、長く咳き込んで苦しい」なんて訴えが多いような気がする。
●「ケンケン」といった独特な「乾いた咳」を患者さんがしていることがあり、かなりわかりやすい。
●「顔を真っ赤にしながら咳き込む」と表現を変えて説明してくださる患者さんもいる。
●自覚的に「のどの乾燥感」や「痰切れの悪さ」を訴える方にも適していると思う。

麦門冬湯にまとめたメモはこちら
https://yakuterrace.com/u/kouta2/wp2gesshefa6yd

 

小青龍湯(しょうせいりゅうとう)

●「よく痰が絡む」「咳と一緒に痰がよくでてくる」「ゼロゼロ・ゼイゼイした咳」といったような訴えが多いと思う。
●僕は、麦門冬湯の使用目標である「乾いた咳」に相反する咳に用いるイメージを持っている。「水が絡んだような咳」といって伝わるだろうか。
●小青龍湯というと花粉症(≒鼻炎症状)でよく使われるが、アレルギー性の咳にも使うので覚えておくと損はないと思う。
 

麻杏甘石湯(まきょうかんせきとう)

●体力がある人向けなので小児に処方される場合が多い。
●「咳が強く出て、口の渇きが強い」なんて場合は大人に使っても差し支えない。
●消渇・冷やす力のある石膏(せっこう)が多く入っているので「のどや口の渇き」と「熱感」の2つは確認したほうが良い。
●「咳き込みとともに汗が噴き出す」「咳をしながら汗をかいている」という場合に試す価値あり。
 

五虎湯(ごことう)

●麻杏甘石湯に桑白皮(そうはくひ)という生薬を加えた漢方薬。
●麻杏甘石湯が効いているけど、もう一押ししたいときに便利。
●個人的には麻杏甘石湯よりも五虎湯の方が効き目が良い気がする
●「いついつまでに治したい」とか期限を提示してくる患者さんには麻杏甘石湯ではなく五虎湯の方を処方するようにしてました。
 

神秘湯(しんぴとう)

●これもまた小児によく処方される。
●麻杏甘石湯と異なり、石膏が入っていないので「乾き」や「熱感」はない方が望ましい。
●高齢者の「慢性的な咳」にも使われるイメージ。
●蘇葉(そよう)が入っているのが特徴で抑うつ作用が期待できる。
●小児にせよ高齢者にせよ、「咳で弱っている患者さん」に適しているようなイメージ。
 

柴陥湯(さいかんとう)

●「咳」と「咳による胸痛」で使うのが一般的。
●個人的には胸痛の訴えが強ければ、第1選択薬。
●あくまで「咳による胸痛」なので「咳がなく胸が痛い」というときは避けた方がよい。

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プロフィール

ワダコウタロウ
性別
男性
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自己紹介
薬局薬剤師です。
日々業務の中で気付いたこと・感じたことを共有していけたらと思っています。新たな漢方薬剤師が誕生するよう願って「ワダ漢方」を発信していきます。
よろしくお願いします。
保有資格
研修認定薬剤師

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