化学療法と副作用発現時期【抗がん剤説明時のツール】
【抗がん剤の副作用】
化学療法後の副作用モニタリングでは、副作用の発現時期に注意が必要です。
化学療法に伴う、一般的な副作用と発現時期の図です↓

出展:国立がん研究センターがん対策情報センター がん情報サービス
患者さんご自身で気づける副作用と、検査値にあらわれる副作用があります。
副作用は早期発見・早期対策が今後のQOLにもかかわってくるので、患者さんにも気づいてもらえるよう、副作用とその対策をお伝えする必要があります。
例えば…
・抗がん剤の点滴する日に吐き気止めが入っていますが、それでも気持ち悪いようであれば吐き気止めの追加もできるので教えてください。
・治療開始1週間ほどで口内炎ができたり、口の中がしみる症状が現れることがあります。こまめなうがいや歯磨きをして口の中を清潔にしてください。
・治療開始2~3週後くらいから髪の毛が抜け始めます。一時的なもので、治療終了後は少しずつ生えてきます。脱毛が気になるようでしたら帽子やバンダナ、ウィッグなどをおすすめします。
など、時期に合わせて。
私は、副作用については治療開始前に一通りの説明と、もう一度、直前に翌週起こりそうな副作用の予測と対策をお伝えしています。
【抗がん剤説明時のツール】
私はよく「薬事新報社 新がん化学療法のためのお薬説明書」を使っています。
http://www.yakujishinpo.co.jp/cancer2012.pdf
この説明書は用法用量、投与スケジュールに加え、副作用発現時期とその対策等、患者さんに必要な情報がわかりやすくまとまっています。印刷用CD-ROMがついており、編集も可能です。
詳しく説明したいときはメーカー提供のパンフレットを使うこともありますが、複数の抗がん剤を使う場合や投与スケジュールが数日間にわたる場合、1枚にまとまっていてわかりやすい、と患者さんからは好評です。
このようなツールを利用しながら、患者さんと一緒に副作用の早期発見・早期対策ができればいいなと思います。
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