患者さんに一生懸命説明しているはずなのに、受け入れられないって経験ありませんか?
私はよくありましたし、今でもあります。。。

先週のWEEKLY YAKUTERRACEのインタビューで、ゆーさんが投薬スキルと投薬時に意識していることをお話されていました。

【動画公開】【インスタグラムを始めた理由】第27回 WEEKLY YAKUTERRACE
https://yakuterrace.com/u/ey9mzkxryr/yby1fv387tgjfh

患者さんの表情や受け入れ方で、言葉やアプローチを変える工夫をされていることや、患者さんの人柄や漁師町などの地域柄を考慮して、いい意味でフランクに接しているというお話がとても印象的で、早速真似してみようと思いました。

現在、私は病院で外来化学療法を行う患者さんへの抗がん剤の薬剤指導や副作用アセスメント・支持療法提案などを担当しているのですが、患者さん一人ひとりに合わせた指導やアセスメントは本当に難しく、試行錯誤をしながらの毎日です。

今回は以前参加した勉強会で学んだ内容を含めて、私が抗がん剤の薬剤指導時に意識していることをshareしたいと思います。
(いつかどこかでどなたかの参考になれば嬉しいです)

「レディネス」

心理学用語。準備性。学習活動に効果的に従事することを可能ならしめる学習者の心身の状態をいう。(コトバンクより引用)


勉強会で講師の方は、服薬指導に置き換えて、

「レディネス」
治療や服薬に関する患者の心の準備状態のこと


・せっかくの説明が患者に受け入れられていないのは、患者の「レディネス」を無視しているから

・そもそも患者の不安の所在を明確にしていない状態では、説明を受け入れてもらえない

「薬の専門家として説明しなきゃ!」「よどみない説明をするのがプロだ!」と思ってしまいがち

とお話されていました。
(一方的な説明になりがちな自分には正直耳の痛い話でした!)

この話を勉強会で聞いてから、患者指導の際に意識するようにしています。

私が経験した、印象に残っているエピソードを一つ紹介します。

その日から抗がん剤治療を開始する患者さんに対して説明を行っていたところ、説明中の反応が薄く、伏し目がちで表情も虚ろな様子でした。体調が悪いのかもしれないとお声掛けすると、
「そうではないんです。。。」
どうも様子がおかしいので、一旦説明を中断し、お気持ちをうかがうと、
「治療を始める覚悟を決めて病院へ来たけど、実際始めると思うと本当に怖くて。治療をした方がいいのか、やらない方がいいのか、わからなくなってしまって。。。」
治療自体について迷いが生じていたようです。

薬剤師として、副作用の具体的な話や、副作用マネジメント・支持療法などでお力になれることをお伝えさせていただき、少し安心されたようでした。
ただ、治療をすると決めた患者さんに寄り添ったり、そっと背中を押したりすることはできても、無責任に「やるべきですよ」「がんばりましょう」なんて言うべきではないと思い、看護師さんとも相談し、一度主治医に連絡を取り、再度主治医から治療自体について説明をいただくことにしました。

主治医からの説明後、納得された表情で、
「治療しないと後悔すると思って覚悟を決めました!副作用と上手く付き合いながら治療に挑んでみるわ!薬の説明をお願いします!」
と治療室へ戻って来られました。
説明中には積極的に質問をいただくなど、とても良い時間を共有することができました。

後から振り返ると、この患者さんは、きっと治療に対する心の準備状態(レディネス)が整っていなかったんだと思います。
不安や迷いのある状態ではどんなに説明をしても患者さんへは届かないんだなと、この患者さんから学ばせてもらいました。

もしかしたら患者さんは、治療や薬について何か不安を抱えているのかも!?

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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プロフィール

hossi
性別
男性
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自己紹介
病院薬剤師として主に外来がん治療に携わっています。高齢化の進む中、医療はまさに日進月歩。薬剤師の仕事も対物から対人へとシフトしていることを実感しています。皆さんと知識や経験を共有し、多くの学びが得られたら嬉しいです。
保有資格
外来がん治療認定薬剤師、日病薬病院薬学認定薬剤師

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