五苓散(ごれいさん)は利尿や発汗で水滞(すいたい)を改善する薬です


昔の本には『口が渇いて渇いてしょうがなくって、お水をガブガブ飲んだらお腹がちゃぽちゃぽしてきて、水分摂りすぎだなーってわかってはいるんだけど、口が渇いているからどうしても水を飲むのをやめられなくって、、、結果として水分の摂りすぎで嘔吐しちゃう』のを治すって書いてあったと思います。(要約ですが)

こんな症状の患者様って・・・かなり限定的ですよね・・・


水分過多の状態を「水滞」といって、浮腫や下痢、嘔吐や頭痛、夏負け(夏バテ)、めまい原因と考え、利尿で改善していくのが作用機序です。昔の本には『1日3回お湯で服用することで汗をかいてきたら治る』なんて表記もあることから、汗やおしっこで利水するというのが正しい理解かもしれません。

実際には
口やのどの渇きがある
摂取した水分量よりもおしっこの量が少ない
この2点が確認できていれば良いと思います。

臨床では「甘草(かんぞう)」が含まれておらず、「蒼朮(そうじゅつ)」「桂皮(けいひ)」といった健胃薬が入っていることから、安全性が高く、この2点が確認できなくても処方されることが多いです。
漢方薬剤師はアルコールの抜けをよくするため、飲み会の前に予防的に服用したりもします!

 

ワンポイントアドバイス

五苓散は体の中でうまく循環していない悪い水(余分な水)をおしっこや汗で排出するお薬です。一時的に汗やおしっこの量が増えてきたら効いてくる合図です。まれに汗やおしっこを気にするあまり、旅行するときや人と会うときに服用を中止してしまう方がいらっしゃいますが、せっかくの効果が無駄になってしまうので中止せず続けてください。

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ワダコウタロウ
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