【個人メモ】抗菌点眼薬と添加物とコンタクトレンズ
医師から「抗菌点眼薬の添付文書を見ると、添加物の記載が少ないのですが、これだけですか?」という、質問を受けて調べました。
基本的に抗菌点眼薬は主成分自体に抗菌作用があるので防腐剤が含まれていない場合が多いです。
そのため、添付文書で添加物の記載は少ないですが、記載されているのが全てです。
アレルギーの点眼薬等はベンザルコニウムが含まれていないのが珍しいんですが、抗菌点眼薬は含まれている方が珍しいというような感じです。
コンタクトレンズの装着に関しましては眼感染症治療のため基本的にコンタクトレンズを使用すること自体が推奨されていません。
以下に主な抗菌点眼薬の添加物とコンタクトレンズ装着に関するメーカー問い合わせをメモします。
・ベストロン点眼用0.5%
溶解液(5mL):添加物(1mL中)
エデト酸ナトリウム水和物0.2mg
パラオキシ安息香酸メチル0.26mg
パラオキシ安息香酸プロピル0.14mg
ホウ酸、リン酸水素ナトリウム水和物、リン酸二水素ナトリウム、塩化ナトリウム
⇒酸素を透過しないハードコンタクトレンズは使用可能。
その他は点眼後、5分以上あけて再装着。
・ガチフロ点眼液0.3%
添加物
塩化ナトリウム、塩酸、水酸化ナトリウム
⇒酸素を透過しないハードコンタクトレンズは使用可能。
その他は点眼後、5分以上あけて再装着。
・タリビッド点眼液0.3%
添加物
塩化ナトリウム、pH調節剤
⇒ハードコンタクトレンズは可。
ソフトははずして点眼。点眼後は5分以上経過して再装着。
医師の指示に従うように。
・クラビット点眼液
濃グリセリン、pH調節剤
⇒ハードコンタクトレンズは可。
ソフトははずして点眼。点眼後は5分以上経過して再装着。
医師の指示に従うように。
クラビット、タリビット共に、主成分自体に抗菌作用があるので防腐剤が含まれていない。
保存効力試験で防腐剤なしでも適合出来ているデータあり。
・オゼックス点眼液0.3%
添加物
硫酸アルミニウムカリウム水和物、ホウ砂、塩化ナトリウム、pH調整剤
⇒ソフトコンタクトレンズでレンズの白濁の報告あり。主成分のトスフロキサシンが析出し、レンズに付着したと推測されている。
ハードコンタクトレンズは代表的な報告はなし。点眼時はコンタクトレンズをはずすように推奨。点眼後は10分~15分はあけて再装着。
眼に炎症があるので基本的にはコンタクトレンズを避けて頂くことが望ましい。
・トスフロ点眼液0.3%
添加物
硫酸アルミニウムカリウム水和物、ホウ砂、塩化ナトリウム、pH調節剤
⇒本剤の有効成分がソフトコンタクトレンズに付着し、レンズが白濁するとの報告がある
ハードコンタクトレンズは試験は行っていないため、返答は出来ないが、控えると推奨している。点眼後、5分以上間隔をあけて再装着。
・ゲンタマイシン硫酸塩点眼液0.3%「ニットー」
添加物
パラオキシ安息香酸メチル、乾燥亜硫酸ナトリウム、塩化ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム水和物、無水リン酸一水素ナトリウム
⇒試験を行っていないため、医師の指示に従うこと。
指示がない場合は、コンタクトレンズをはずして使用する。
点眼後は5分以上間隔をあけて再装着するように。
・トブラシン点眼液0.3%
添加物
ベンザルコニウム塩化物、等張化剤、pH調節剤
⇒試験を行っていないため、医師の指示に従うこと。
指示がない場合は、コンタクトレンズをはずして使用する。
点眼後は5分以上間隔をあけて再装着するように。
・ベガモックス点眼液0.5%
添加物
ホウ酸、等張化剤、pH調節剤2成分
⇒コンタクトレンズによるデータなし。
コンタクトレンズは装着しながらの点眼は薬物動態に影響する可能性があるので推奨していない。眼感染症治療のためコンタクトレンズは使用しないように。
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