【腎排泄性薬剤④】活性体と回収期間も考慮する!
添付文書では腎排泄性薬剤が判断できない理由
1添付文書の尿中排泄率では、未変化体(活性代謝物)と代謝物(非活性体)が区別されていないことが多い。
2経口投与の場合は吸収率を考慮する必要がある。
3代謝物が活性体の薬剤は、代謝物の尿中排泄率である。
4尿中排泄率を算出するまでの回収時間が短く、すべて回収されていない場合がある。
活性体と回収期間も考慮する!
上記理由の3、4をまとめて説明します。
前回のメモを拝見していただいた方には今回はとても簡単です!!
まず3の「代謝物が活性体の薬剤は、代謝物の尿中排泄率である」
肝臓で代謝された代謝物には大きく分けると、①「無毒化」されて効果を失うもの、②代謝されても十分に効果があったり、より効果が強まるものがあります。
この②代謝されても十分に効果があったり、より効果が強まるものが、添付文書上の腎排泄率の計算から抜けてしまっていることがあります。代謝されても効果があるものは腎臓で排泄されたら計算に入れなくてはいけないですよね。
次に4の「尿中排泄率を算出するまでの回収時間が短く、すべて回収されていない場合がある」
こちらも簡単です。薬が吸収されて腎臓から排泄されるまでの計測する時間が短く、体内にまだ残っているにも関わらず、試験を終了してしまうということです。
正確な算出が出来ないのは明らかですよね。
例)ザイロリック錠
排泄
アロプリノール169mg注)を単回経口投与した時、一部は未変化体のまま尿中に排泄され、残りの大部分はオキシプリノールに代謝されて、48時間で投与量の約40%が尿中に排泄された。
薬効薬理
アロプリノールの主代謝物であるオキシプリノールもキサンチンオキシダーゼ抑制作用を有する
参考:https://www.info.pmda.go.jp/go/pack/3943001F1314_W_13/?view=frame&style=XML&lang=ja
アロプリノールは代謝され、オキシプリノールになります。
このオキシプリノールにも効果があり、半減期もアロプリノール(半減期約1.6時間)に対して、オキシプリノール(約17.1時間)が長く、むしろ代謝物がのオキシプリノールが効果に大きく寄与していると言えます。
しかし添付文書上の腎排泄率の計算では、このオキシプリノールが、腎排泄率の計算に含まれていないこと、計測する時間が短くすべてを測定出来ていないことが起こっています。
腎排泄率は約70%と言われています。
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