2018年2月に生薬のサンシシを含む製剤において腸間膜静脈硬化症の副作用が追加されました。
患者さんから加味逍遥散を長く服用していて腸の調子が悪く石灰化しているという報告を受けました。
現在、加味逍遥散が原因かは不明ですが、服用は中止しています。
腸間膜静脈硬化症とは、大腸の壁から腸間膜の静 脈にかけて石灰が沈着し、大腸の静脈の流れが悪 くなる病気で、静脈硬化性大腸炎とも呼ばれてい ます。

以下メーカー確認。
多くは5年以上服用した方が腸間膜静脈硬化症の副作用が出やすい。
集積できた症例は現在でも数例しかなくすごい少ない。
腹痛、下痢、便秘、腹部膨満感が初期症状。
腸間膜の内膜が石灰化のように固くなる。
ほとんどが中止で症状改善するが、中には進行して切開する症例もある。
サンシシが原因と考えられてはいるが、機序は不明。

サンシシ中のゲニポシドが大腸の腸内細菌によって加水分解され、生成されたゲニピンが大腸から吸収されて腸間膜静脈を通って肝臓に到達する間に、アミノ酸やたんぱく質と反応し、青色色素を形成するとともに、腸間膜静脈壁の線維性肥厚・石灰化を引き起こし、血流を鬱滞させ、腸管壁の浮腫、線維化、石灰化、腸管 狭窄を起こすと考えられている。

主に腹痛(右側)、下痢、悪心・嘔吐が認められるが、無症状(便潜血陽性を含む)の症例もある。また、症状の重いものではイレウスを呈する場合もある。

確定診断がついた場合には漢方薬の投与を中止:薬剤投与中止後、経過観察あるいは薬物治療(抗凝固薬等) 但し、イレウスや繰り返す重度の腹痛を呈する場合は腸管切除の考慮も必要
【予後】 概して予後良好で、自覚症状は改善するが、線維化・石灰化等の回復には長期間が必要。 また、手術例においては漢方薬中止により、経過は順調に推移

参考:漢方薬による腸間膜静脈硬化症
福岡大学筑紫病院 消化器内科 教授 松井敏幸
JR大阪鉄道病院 消化器内科 部長 清水誠治

という報告もあります。


サンシシを含む製剤

黄連解毒湯
加味逍遥散
荊芥連翹湯
五淋散
温清飲
清上防風湯
防風通聖散
竜胆瀉肝湯
柴胡清肝湯
清肺湯
辛夷清肺湯
茵蔯コウ湯
加味帰脾湯

です。
初期症状を見逃さないように注意が必要と思いました。
 

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