久々の投稿になります。。。

先日ゲムシタビン(GEM)の血管痛について、看護師さんから相談があり、対策を検討した症例があったので、shareさせていただきます。

GEMの血管痛は注射部位反応(静脈炎、疼痛、紅斑)として、1〜10%と報告されています。
GEMは様々ながん種のキードラッグであるため、血管痛に悩まされるケースは多いです。

GEMの血管痛対策で注意すべきこととして、
「投与時間を延長してはいけない」
ということがあります。

Q.ゲムシタビンは、なぜ30分間で点滴するのですか?

A.投与時間が60分以上になると、高頻度に骨髄抑制や肝機能異常が認められ、毒性が増強されることが示唆されたためです。

日本イーライリリー 製品基本情報より
https://www.lillymedical.jp/ja-jp/answers/48653


Point
血管痛を回避するために一般的に行われる「投与時間の延長」をGEMに適応してはいけない!


対策①
温庵法(温める)

ホットタオルなどを使用して静脈を温めることで、血管が拡張することによって、血管痛の緩和が期待できる
(低温やけどに注意!)

対策②
5%ブトウ糖液に溶解

添付文書ではGEMの溶解液は生理食塩液とありますが、5%ブドウ糖液に溶解して投与することで血管痛が軽減するという報告がある

引用文献
Use of glucose solution for the alleviation of gemcitabine-induced vascular pain: a double-blind randomized crossover study
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/23877927/


今回の症例はすでに温庵法を行っていましたが、苦痛が強く、満足な改善が得られてなかったため、5%ブドウ糖液に溶解して投与したところ、改善されました。

GEMの場合は一般的な血管痛対策である「投与時間の延長」を行うと副作用が増強するといったピットホールがあり、注意が必要な薬剤です。
投与管理については主に看護師さんがメインとなりますが、薬剤師も協働することで患者さんの不利益を回避することができるとあらためて感じました。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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プロフィール

hossi
性別
男性
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自己紹介
病院薬剤師として主に外来がん治療に携わっています。高齢化の進む中、医療はまさに日進月歩。薬剤師の仕事も対物から対人へとシフトしていることを実感しています。皆さんと知識や経験を共有し、多くの学びが得られたら嬉しいです。
保有資格
外来がん治療認定薬剤師、日病薬病院薬学認定薬剤師

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