外来がん治療では、自宅での発熱時の対処が重要です。

患者さんがどんなに感染予防に努めていても、骨髄抑制による発熱を来すことがあります。
好中球が減少している時に感染症を起こして発熱すると急速に重症化するおそれがあり、重篤な場合には死に至ることがあります。発熱性好中球減少症(FN)と呼ばれています。

「熱は必ず毎日測ってください」
「寒気があると思ったら、熱を測るようにしてください」
「熱が出たら、ただの風邪だと思って市販の風邪薬などは使わずに、必ず病院へ連絡してください」
上記のような感じで伝えています。

免疫抑制剤や抗がん剤等を用いている方
新型コロナウイルスの重篤化のリスクが高いとされ、厚生労働省から注意喚起がありました。

通常なら「38℃の発熱」が目安ですが、現在は注意喚起に従い『37.5℃以上の発熱が2日程度続く場合』と指導しています。まずは連絡をもらえることで、その後の対処へつなげることができます。
患者さん自身に副作用を早期発見してもらうことは、外来がん治療を安全に行う上で最も重要なことのうちの一つです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

<追記 2020/5/11>
2020年5月8日、厚生労働省から新たな「相談・受診の目安」が公表され、平熱に個人差があるなどの理由から、「37.5℃以上」の表現が削除された。息苦しさや高熱といった症状がある場合には「帰国者・接触者相談センター」などに相談するよう呼びかけている。
https://www.mhlw.go.jp/content/000628761.pdf

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プロフィール

hossi
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男性
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自己紹介
病院薬剤師として主に外来がん治療に携わっています。高齢化の進む中、医療はまさに日進月歩。薬剤師の仕事も対物から対人へとシフトしていることを実感しています。皆さんと知識や経験を共有し、多くの学びが得られたら嬉しいです。
保有資格
外来がん治療認定薬剤師、日病薬病院薬学認定薬剤師

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