新型コロナウイルス感染症収束のカギを握るとされるワクチン接種。本来、医師法で医療行為とされ、医師や看護師しかできないことになっている。しかし、打ち手不足を解消するため医師や看護師以外に、歯科医師による接種もスタート。それでも足りず、新たな打ち手候補として特例で臨床検査技師や救急救命士が挙がっている。

 

しかし、ワクチン接種会場でワクチンの原液を希釈したり、注射器に充填する作業に従事している薬剤師に関しては政府内に慎重意見があるという。なぜなのか?

 

「新型コロナウイルスワクチンは他のワクチンに比べて副反応が強い。国はその関連性を否定していますが、接種後亡くなった人が85人いて、国際基準で認定されたアナフィラキシーも146件報告されています。万一そういうことが起きたら薬剤師では対応できないだろうということも慎重意見の理由のひとつでしょう。しかし、それは歯科医師や臨床検査技師、救急救命士も同じで、医師の管理の下で行えばいいわけで言い訳になりません。結局は患者さんに針を刺す業務をやっていないから、というのが主な理由です。実際、5月21日の衆院厚生労働委員会では“薬剤師のワクチン接種を認めるべき”と主張する野党議員に厚労大臣が“人の体に針を刺して薬液を注射する話。結論ありきでは答えられない。人の命がかかっている”と気色ばんでいました。しかし、新型コロナワクチンは筋肉注射で、外部からは見えない血管や気管に管を挿管するわけではありません。それなりの研修とトレーニングを受ければ誰でもできるものです」(都内の医師)

 

薬剤師のワクチン接種についてはインターネットで行われた約2万4000筆の署名が提出されたこともあり、政府のワクチン担当である河野太郎規制改革相が「薬剤師による接種を検討する」と発言。また東京都の小池百合子知事も菅義偉首相に対して、薬剤師がワクチンの打ち手となるよう要望したと報道されている。

 

「日本では法律に基づき行われる定期接種と患者さんが自分の意思で受ける任意接種があり、病院に少なからぬ収益をもたらしています。例えば毎年10月ごろから始まるインフルエンザワクチンなどは自由診療扱いで、開業医の中には病院スタッフの冬のボーナスの資金源としてアテにしているところもある。もし、新型コロナをキッカケにワクチン接種の業務が薬剤師に奪われたら、経営が苦しくなる病院も出てくるでしょう。それを心配している医師もいると思いますよ」(都内医師)

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