オピオイドの3大副作用といえば吐き気、眠気、便秘ですね。
オピオイドを導入する時、吐き気の予防対策にノバミンが処方されることがあります。

「PEACE」という緩和ケア研修会においても吐き気止めの選択の一つにノバミンが記載されています。
PEACEに興味を持った人はChienamさんが実際に参加しての感想をメモしてくれていますので、
そちらをご覧ください。
URL:https://yakuterrace.com/u/ke9yer3tnt/xn4k6a2wuingas

だけど、オキシコドンの導入時、ノバミンの予防投与をプラセボと比較したRCTの論文では吐き気に対して有意差がなく、むしろ有意に眠気が起きていたという報告があります。

Tsukuura H et al. Efficacy of Prophylactic Treatment for Oxycodone-Induced Nausea and Vomiting Among Patients with Cancer Pain(POINT):A Randomized, Placebo-Controlled, Double-Blind Trial. Oncologist. 2017


日本人が行ったRCTでの論文であり、おそらく、今後も覆されないのでは?
と個人的には思っています。

消化器症状が多いとされる消化器系の癌疾患を持つ患者さんに対しても
当院ではルーチンのノバミン処方をしておりません。
吐き気の症状が出てから、適宜、吐き気止めを頓服使用しております。

一部の科では未だルーチンでのノバミン処方がされています。
科による方針や考え方もあるかとは思いますが、
急がずとも確実に少しづつ普及活動を行なっていければ良いなと思います。

 

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