知識のアウトプット。
久しぶりの投稿になってしまいました。
薬学生の方々にもヤクテラスの登録を開始されると拝見したので、最近あった「これ、受験の時に勉強したやつだ」エピソードを書こうと思います。
実際の体験主はわたしの同期で、わたしはその同期から社内携帯を通じて相談を受けた、という状況です。
同期「相談なんだけどさ、3歳の子でLーケフレックス小児用顆粒(セファレキシン)が出たんだけど、在庫ないし近くの薬局も持ってないし、卸も今日入るところがなくて。疑義して他の薬に変えてもらおうと思うんだけどさ。」
わたし「何で処方されたの???」
同期「足にコンクリートが落ちちゃって怪我しちゃったんだって。」
わたし「そうかぁ。同じセフェム系で変えたいね」
同期「場合によっては脱カプセル、粉砕もありだね。シンプルなのはメイアクト(セフジトレンピボキシル)かな?」
わたし「メイアクトならセフェムだし粉も今日中に卸から入りそう、、、ん?ちょっとまって。」
わたしここでふと、思い出したことがあるんです。
わたし「そういえばさ、小さい子にピボキシル基って低血糖リスクあるからダメじゃなかったっけ??」
同期「あ、ほんとだ。注意って書いてある。リスクは低いけど避けた方がいいね。ありがとう助かった!」
最終的に疑義してセフゾンカプセルの脱カプセルに処方変更となり、患者様にお渡しできたようです(^^)
改めてPMDAで調べましたが、副作用発現分布で最も多かったのは0〜1歳の乳幼児でした。長期投与ではなく、飲んだ次の日に症状が出たケースや、妊婦さんが飲むことで出生児に低カルニチン血症が現れることもあるようです。
ピボキシル基を含む抗生物質(フロモックス、メイアクト、トミロンetc...)が処方された場合は患者さんの年齢、又女性の場合は妊娠の有無も必要だと思いました。
国家試験の実践問題は、実習で学んだことがちょこちょこ出てくるので、5年生の皆さんは薬局、病院実習で学んだことを忘れずに6年生を迎えてほしいと思います。
そして、6年生になり、みなさんが勉強するとき、「あ、そういえば」と情報の引き出しのひとつになれたら幸いです。そんなメモをこれからも書いていけたらと思います。
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