末梢投与可能なブドウ糖液の濃度【注射薬】
病院では、入院患者さんの点滴薬の処方(注射箋)が出てきたら、内服薬と同じように処方内容を監査、必要な輸液を取り揃えて病棟へ送っています。
注射薬の処方監査では、投与量、濃度、投与回数、投与速度、投与経路、配合変化、腎機能などを確認します。
【インシデント事例】
先日、注射箋で70%ブドウ糖液(350mL)の処方があり、末梢静注の指示が書いてあるにもかかわらず、調剤・鑑査で見落としてしまい、実際に投与されてしまったインシデントがありました。単なるDrの入力ミスの可能性もありますが、注射薬のインシデントは、重大な事故につながることもあるので、細心の注意を払って調剤・鑑査する必要があります。
【ブドウ糖液DI情報】大塚糖液添付文書より
【末梢投与できるブドウ糖液の濃度】
ブドウ糖は濃度 (5%,10%,20%,40%,50%,70%)
規格 (20mL,100mL,200mL,250mL,350mL,500mL) がこんなにあります!
体液、生理食塩液、ブドウ糖液5%=浸透圧比1(約285mOsm/L)体液に対する浸透圧比が高いと静脈炎発生のおそれがあるため末梢静脈投与の場合、浸透圧比約3未満(900mOsm/kg)が推奨されます。
末梢投与可能なブドウ糖液は10~12.5%が限度*)
高濃度で大量投与を行う場合はTPN(中心静脈栄養)から投与します。
じゃあ上記の添付文書の記載
「1回10~50%液20~500mLを静脈内注射」ってどういう意味?と思いますよね。
特殊な例として、意識障害を伴う重症低血糖患者に対して
50%ブドウ糖20mL~40mL(1A~2A)を末梢から静注(ワンショット)することがあります。
参考文献:注射薬Q&A 注射・輸液の安全使用と事故防止対策
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