救急外来で活躍する薬剤師【アンサングシンデレラシリーズ】
ついにアンサングシンデレラのドラマが始まりましたね。
冒頭、薬剤師が救急外来に運ばれてきた患者さんに心臓マッサージをしているシーンがありました。薬剤師の救急外来における業務はピンとこなかったので、①救急医療(初期診療)における薬剤師業務と②実践している施設について調べたことをメモします。
【救急医療(初期診療)における薬剤師業務】参考:救急・集中治療領域における薬剤師業務指針
①常用薬と薬歴の情報収集
意識障害や鎮静により患者からの聞き取りが不可能であることが多い→お薬手帳やかかりつけ医から処方薬を情報収集
②入院後に継続が必要な常用薬の判断、継続薬剤について院内採用の確認・代替薬の提案
③常用薬による副作用や有害事象発現の評価、治療への影響、緊急手術時に対応が必要な薬剤の情報提供
例 )・緊急手術時の抗凝固剤・β遮断薬服用への対応・造影CT時のメトホルミン塩酸塩服用
④薬剤投与時の確認
初療室では限られた人数で迅速な対応を求められ、薬剤師投与に関する指示は口頭で行われる場合がほとんど。薬剤の選択ミスや投与量を間違える原因となりやすい。→薬剤師のチェックが入ることにより適切な薬剤の選択や投与量の設定が可能
例)・適切な輸液の選択 ・投与速度、注射剤の溶解・希釈の確認・適切な投与ルート選択 ・配合変化
⑤蘇生治療における業務
蘇生治療において、例えばアドレナリン投与時、適切な間隔で反復投与を行うため、投与時間の記録や確認を行う。
重症度や緊急度の高い患者に対して、 迅速かつ高度な医療の提供が要求される救急・集中医療においては、特に多職種スタッフの関与による多方面からの知識や技術の集結が必要とされます。
【救急外来で薬剤師が活躍している施設】
実際に静岡徳洲会病院では、薬剤師が救急外来において、薬剤の準備、経過記録票への記入、タイムキーパー、心臓マッサージなどに加え、中毒の原因物質の鑑別、医師の指示の下に行う薬剤投与など幅広く活躍しています。
同院薬剤部では2~3年目の薬剤師に、心臓マッサージをはじめ救命処置の手技を習得する講習の受講を義務付けているそう。救急外来担当の薬剤師をあらかじめ決めているわけではなく、連絡を受けたときに「行ける薬剤師が行く」。つまり、誰でも救急外来に対応できるようなトレーニングを受けているようです。(徳洲会グループHPより)
医師法に規定されている侵襲的な行為はできませんが、心臓マッサージのように、救命救急のチーム医療の一員として、「できることは何でもやる」というスタンスで薬剤師が活躍している病院もあることがわかりました。救急現場は、自分の一言が命に直結することもあり、それがやりがいでもあり、難しいところでもあると思うのですが、幅広い現場で薬剤師が活躍していることを知る良い機会になりました。
ドラマを見た人からはいろいろな感想があるようですが、薬剤師の仕事が注目されることはうれしいことですね。
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