長い文章です。訪問の患者さんを増やす役に立つ内容と思います。

2年前に知り合いの薬剤師に送ったものです。
私が地域での、多職種での交流会を主催するに至った流れと、運用などのノウハウを教えてほしいということで、送ったメールを久しぶりに目にし、メモとして残しておこうと思いました。

私は「もりった」ですが、森田です(わかるか…)。そのままの名前で「森田会」という地域交流飲み会をしています。今年2月に第14回を開催して以降止まっています。

以下、(森田を「もりった」に直したりしてましたが、途中で飽きてそのままになってます)。



開催 第1回は2015年3月でした。
 
開業して2年目、在宅を行っている中で、薬剤師の疎外感を感じていました。距離を空けられているというよりは、関わり方がわからない感じの・・・。
それは、向こうから発しているものでもありましたが、そもそも「私があなた達のこと知らない」ということから来ているのではないか?そう思いました。
 
こっちから知ろう!と思いました。
かといって、相手の仕事の見学を・・・でも邪魔するわけにも行かないし、一人薬剤師で週6、昼休憩なしで薬局に張り付きの状態でどうすべきかと考えていました。
ちょうど商工会に入ったころだったので、同じ年代の飲食の方のお店でのんでいて、結構経営も大変なこと、平日にまとまった予約が入ると嬉しいことなど聞きました。
だったら、平日に医療介護の人に声をかけて飲み会をするか!10人ぐらいはくるだろう。それを思ったのが2014年の11月ごろです。
 
12月に薬剤師会の上の方に、飲み会をすることを説明。
薬剤師会では、在宅をしている薬局はほぼゼロでした。市も医師会もまだ積極的ではない時期です。飲み会として私個人として開催か、薬剤師会として開催かどっちがメリットかデメリットか、という相談をしました。
飲み会が何かの会の助けになるのかまだわからないし、いろいろ動いて、他の団体からどう映るか不明なので、「もりったが勝手にやっている」ってことにして、薬剤師会としては関与していないということで、はじめることとなりました。
というのが表面上の、開催に至る動きでした。
 
薬局の経営としての個人的な目的もありました。そういう意味では、個人開催にしたかったけど、勝手にやって目立ちたくなかったので、薬剤師会に非関与という形がとれてよかったと思います。
新参者で、門前も思ったほど処方枚数なく月300ぐらい。他院は順調に増えていたのですが、それでも合計月500強。在宅はうちに回ってきている感じがありました。
在宅を増やしても訪問にいく時間がないし、これ以上無尽蔵のに増えると、薬局をしめて訪問に行かねばならなくなるという危機感もありました。薬局を大きくしたくないという、経営方針で、人を増やすことは考えていませんでした。
行っても閉まっているかもしれない薬局じゃ、外来患者さんも増えないだろうし。
 
在宅はこれから増えるのは当然の予測で、ひとり薬剤師でどうマネジメントすると効率よく増やせるかってことを考えていました
じゃあ、基本的に自分の薬局に情報が集まるようにして、患者さんを仕分けようと。
在宅医療、介護の世界に顔がきく薬剤師が地域にいないと感じたことから、自分が窓口になれば枚数を集められるし、医療機関からの相談を受けて、遠いのは他の薬局に紹介して、自分ところに一番削りたい移動時間短縮のため、近距離な処方箋を残していこうっていう戦略でした。
 
結果を先にいうと、半分成功で、半分はずれでした。処方箋は集まりました。大変な処方も振り分ける予定が、結局、「森田さんじゃないと難しいかも」と言われると遠くても自分で訪問してしまい、よりてんてこ舞いに。
今は、それでも慣れてきて、年間300件超(2019年ではもう少し増えている)の訪問をしています。会社役員だから週1は休みますが、勤務時間は長いです。
 
話、戻します。
第1回は16人。60人以上に声かけました。チラシ作って、基本手渡し。在宅の中で関わったことがある施設に訪問、チラシを渡して、ついでに「はじめまして~。◯◯さんちの連携ノート上では初めてじゃないけど~。」がだいたいつかみのご挨拶でした。あと、電話とかFAXとか。
 
第2回は、第1回の参加者が何人かつれてきたいと言ってくれたので、20人以上で貸し切りのところを借りました。ここからは、日々の訪問のなかで、居宅関係の事業所を見つけたら飛び込みで挨拶していきました。
そして、25人の参加になりました。だいたい市内の事業所は顔をだすか名刺交換した気がします。
だいたい3ヶ月ぐらいすると、前参加者から「次いつ?」って聞かれるので、なんとなく3~4ヶ月ごとでつづけていました。
 
2016年ごろから、医師会や市が在宅医療に関わり始めて、多職種研修会などの集まりが頻繁に開催されるようになりました。
すでに多くの人の顔を知っていたので、いろいろ重要な人たちをつなげたりしていました。「何者だあいつ?」って言われるようになり、「彼は森田会って医療と介護の飲み会している人だよ」ってことで口コミが広がり、参加者が増えていきました。そして、介護関係者もいろんな方を紹介してくれるようになりました。
 
そのころは、地元医師会長や、市内の介護事業者連絡会会長などの耳に入っていたので、新しい事業所ができ事業所の所長などが、医師会長や連絡会会長に新規挨拶にいくと、「森田くんという人に飲み会に誘ってもらいなさい」って紹介してくれ、いろんな事業所が薬局に挨拶に来てくれて、さらに輪が広がりました。
 
第8回2017年で、30人しか入らないお店がいっぱいになるようになりました。
そのころ、医療介護の側から、街とのつながりが大事だけど、どうしたらいいのかわからないという声がちらほら耳に入ってきていました。
 
また、所属している商工会青年部や、入会は断っていたけどよく飲み会には誘われていた青年会議所のみなさんも、医療とか介護の高齢者にビジネスを感じているけど、取っ掛かりがわからない・・・っていう話もありました。
「じゃあ、俺がつなげる」てことで、医療介護以外に街でお仕事している職種が加わるようになりました。
 
●会費と時間について
第1回から、会費は4000円で飲み放題つき。2時間半~3時間です。
地域の個人の居酒屋を利用。街の飲食店も盛り上げることも目的のひとつとしています。
飲食店都合もあり、私が仕事終わるのが遅いので、金曜日20時からです。時々、どうしても遅い時間だと行きにくい人もいるので、土曜開催にすることもあります。
 
4000円は、全て飲食店に払っていて、私は一円ももらってないので・・・。
私の地域だと、チェーンの居酒屋で2時間3980円が安値で、個人の居酒屋だと3500円~4500円ぐらいでしょうか。
 
市内にJRの駅が2つあるので、それぞれの駅近の店で交互開催にしています。
両方参加もありですが、地域包括支援センターの方は最初それぞれの駅の担当区域の人に分けていました。
 
また、それぞれの駅に近い隣市の事業所も関わるので、声をかけています。それにより、隣の市のイベントごとに顔を出したときに、近隣市の各職種のキーマンを紹介してくれたりします。
お店もそれぞれの地域で固定しているので、予約だけ取れば段取りはわかっていますので、楽になりました。
 
●オペレーションとタイムスケジュール
普段から小さい飲み会や、一人のみとかでも利用しているお店なので、融通が効きます。
20時スタートとして、19時45分ぐらいに私が到着。とりあえずビールを飲み始めます。
順次、人が入って来たら私が集金してカウンターに誘導して、カウンターでドリンク頼んで自分で受け取って適当に座って飲み始めてもらいます。
この方式にしたら、乾杯まで我慢する必要ないし、お店も厨房一人とカウンター一人でスタートできるので、バイトの応援を1時間遅らせて出勤させることができるみたいです。
それに、私に挨拶してから店内に誘導するので、誰かの紹介で初参加の人も、私は必ず名刺交換できます。
なんだかんだで、20時30分ぐらいにようやくみんな揃ってくるので、ここで乾杯の挨拶をします。もうすでに盛り上がっています。乾杯が終わったらみんな何事もなかったかのように談笑に戻ります(笑)。
 
21時位に各自1分ぐらいで、名前と職種となんかアピールがあったらしてもらいます。すべて、私から一言添えて指名していきます。全員おわるのに40分ぐらいかかります。
そしてまた談笑にもどりますが、自己紹介をおえると話してみたい人がでてくるので、さらに入り乱れて、交流しています。
 
もちろん、お店を提供してくれている店長とスタッフも自己紹介してもらって、森田会以外でも飲食店を利用してもらうように言います。
22時過ぎでそろそろ引き上げでアナウンスして、22時30分で閉会。残る人は残って、残飯処理と飲み直しです。最後だいたい24時とか25時で終了しています。
 
●職種
市長、医師、医師会長、歯科医、訪問歯科医、歯科衛生士、薬剤師、訪問看護師、PT、OT、ST、介護福祉士、サ責、ケアマネージャ、助産師、管理栄養士、地域包括支援センター、MSW、カウンセラー、市議会議員、商工会青年部の方、青年会議所の方、訪問マッサージ、整体院、弁護士、葬祭業、グリーフケア、認知症カフェ店長、ケアラー(家族介護)サポート事業者、NPO乳がん再建代表、柔道整復師、訪問診療所事務、デイサービス事業所、サ高住管理者、看護学生、薬学生、成年後見、社会福祉協議会、市役所職員、アロマセラピスト、清掃業、自費ヘルパー、保育士、産前産後育児支援ヘルパー
 
市長選挙直前で、立候補者どっちも知っていたので、声かけたらどっちもきて、参加者がみな驚く!ということもありました。片方当選して、もうひとりは落選しましたが、今も両方来てくれています。仲良く(^^)。
 
一度、(私も理事なのに)薬剤師会の理事会の日にセッティングしてしまいましたが、理事の皆様から、「お前は介護とのパイプを作るのが仕事だから」と送り出してもらいました。ただの飲み会なんですけどね。
 
反応はいいです。勉強会だと目的が必要なため、来るメンバーが偏ります。
勉強会がないと、飲みたい人、ただ話したい人、仲間が欲しい人など偏りがないです。
だって、葬儀屋と弁護士と医師と介護福祉士が一緒になるテーマの勉強会なんてできませんよ。飲み会ならではです。もちろん、お酒飲めない人も参加しています。
 
●森田会Kids
助産院勤務ママさんと、子どものことも気になるよね~連携取れてないし・・・ってことで、盛り上がって、森田会Kidsの開催準備会もおこないました。
医師、訪問看護師、薬剤師、市議会議員、歯科衛生士、助産院、青年会議所、農家、市の職員、放課後カフェ開催者、地域オヤジの会代表、など10人ほどで話し、森田会Kidsを開くことにしていましたが、まだ開催できていません。
子どもとなると、産前、出産から、保育所問題、子どもの居場所、障害児(医療的ケア児、発達障害、身体障害など)、子育て支援、学童、放課後の居場所、親のフォロー、祖父母のフォロー、子どもの死、兄弟の死、グリーフ、自立、就労支援など広すぎて訳分かんないけど、つながることにも意味があるかなって感じです。
 
●最後に
ながながすいません。
この会は楽しいです。自分が住んで、働いている街だから全てが自分の為になることがモチベーションかもしれません。
そして、薬剤師の地域の溶け込めてなさを未だに痛感します。「もりったさんしか、薬剤師の知り合いいなくて」っていろいろ頼まれます。半径2kmの市内に、50軒の薬局があるのに。
 
まだまだ良くも悪くも、地域にでる薬剤師はブルーオーシャンと感じます。
チェーン店とか健康サポート薬局が地域向けにミニ講座を開こうが、街の中で見たことないから、地域の人からはただの薬剤師として、今までの建物にこもっている薬剤師となんら変わってないです。
 
祭りのテントづくりを手伝っているか?他職種が開催しているイベントに顔だしてあげているか?地域の飲食店にお金落としている?
銀座とかいかないで、自分の市内で同じ金額飲み食いしてほしい。
 
「地域貢献」とか「地域密着」とか掲げている薬局の薬剤師に、自分のいる薬局の所在地の避難場所を聞いてもわからない、市長は?町会長は知ってる?小学校は何小学校の校区なの?とか答えられないと、ちょっとさみしく思います。
森田会に参加してくれた人が、なにかイベントの告知してたら、時間があれば5分でも顔だします。「来たよ~」って言ってちょっと何か買うか、ジュースの1本でも置いて帰ります。それが、地域でのお互い様と思っています。

 

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プロフィール

もりった
性別
男性
最終ログイン
自己紹介
2001年4月に薬剤師になって、ずっと薬局薬剤師をしている、昭和53年生まれです。
2013年から東京都下で小さな薬局をしています。
集中率20%弱の門前不在の薬局をひっそり。
在宅医療や地域での連携を時間を作ってやってます。

小児薬物療法認定薬剤師も持ってたけど、更新を忘れて失効してます。(また取らなきゃ)
保有資格
認定実務実習指導薬剤師

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