私が大事にしていること
皆さん、こんにちは。お久しぶりです。
突然ですが、皆さんは仕事をする上で大事にしている事はありますか?
私は、仕事をする上で「患者さんのために」という事をを心掛けています。
何を言っているんだ、当たり前の事じゃないか!と思う方もいると思います。しかし私は、そこに辿り着くまでに何度も苦い思いをしてきました。
少し昔の話をしたいと思います。
以前よりベンゾジアゼピン系の睡眠薬を服用していた高齢の患者さんがいました。
ある日、睡眠薬がベンゾジアゼピン系のものから少し弱めの薬に変更されていました。処方箋には、今回からこちらに切り替えるようにとの指示がありました。
薬を渡す時に患者さんにその事を伝えると、「以前この薬を服用したら具合が悪くなったから飲みたくない。眠れないと困るから元の薬に戻して欲しい。」と相談されました。
そこで疑義照会をしたところ、今回処方された薬を飲むようにとの事でした。
患者さんは納得がいかず、どうしてもベンゾジアゼピン系の睡眠薬が欲しいと譲りませんでした。
私は、具合が悪くなっているのにその薬を飲ませるのはどうなのだろうと考えました。
そして私は、
「そんなに以前の薬が欲しいのであれば、違う病院で出してもらったらどうですか?と話しました。
本当に何て事を言ったんだろうと、今でも思っています。
その後、患者さんは違う病院へ行き事情を説明しました。しかし、欲しかった薬はそこでは出してもらえませんでした。
患者さんが再び薬局にいらっしゃって、
「先生に話せば薬を出してもらえるんじゃなかったの?そっちで何とか出来ないの?」
と大変な事になっていました。
処方箋が出ていない以上、薬をは出す事は出来ないと話すと、
「じゃあ私はこれからどうすればいいの?眠れなくなって薬も勝手に変えられて、実験動物みたいだ。」
と。
それから、その患者さんは薬局に来なくなりました。
この一連の騒動を上司に話すと、
「先生の処方意図をきちんと読み取らず、患者さんにも非常に嫌な思いをさせてしまったね。」
と言われました。
最近になり、睡眠薬の長期服用により認知症になる可能性があるといわれるようになりました。
もしかしたら、先生はその事を考えてあえて弱めの薬を出したのかもしれないと今は思います。
最初に対応した時は、ずっと同じ薬を飲んでいた方が良いんじゃないのかと思っていました。
しかし、先生が敢えてベンゾジアゼピン系睡眠薬を出さずに弱めの薬に戻したのかをきちんと説明する事が出来なかったから、こんな事にしてしまったんだな…と。
どこが患者のためなんじゃー!!
結局、文句を言われるのが嫌で説明するのが面倒くさいかったからこんな事になったんだな…本当にバカな事をした
と、しばらく頭から離れませんでした。
患者さんの何でも望むとおりにするのではなく、これからの事を見据えてどうするかを考えなくてはならないのだと、改めて思いました。
薬剤師になってから今年で9年目になります。過去にも色々苦しい事がありましたが、この事があってから「本当に患者さんのためになる事は?」と常に考えながら仕事をするようになりました。
現在、アンサングシンデレラという病院薬剤師が主役のドラマが放送されていますが、私も主人公の葵みどりのように「患者さんのために」行動出来る薬剤師になりたいです。
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