患者様に「最適な薬物療法を提供」したり、「医薬品の適正使用」を推進するために、血液検査の結果情報を得ることは大切です。

薬局での外来対応で患者様が「今日採血して
きた。次回結果が出る」という場面はよくあると思います。

しかし、その採血結果を上記目的の為に確認させて欲しいので、次回みせてくださいとお願いしても、「あっ、忘れた」等で確認出来ないことってありませんか?

患者様からみたら、「えっ?めんどくさい」と思われる方も少なくないと思います。


目的を伝えてるのに、患者様が行動を起こしてくれない。

この原因の1つに薬剤師の「伝え方」が悪いことがあるかもしれません。

「伝え方」を少し変えるだけで、患者様が行動を起こしてくれる確率をあげる方法をお伝えします。



答えは「一貫性の原理」を使うことです。


一貫性の原理をネットで調べると下記内容です。


人は不快な状態から脱出する為に、出来る限り簡単な方法で調和を求めようとします。

2つある考えの一方を、歪曲(わいきょく)したり、否認したり、自己説得をしたりすることで、心の中の合理化を図ろうとします。

この働きがある為、ひとたび自分の立場を表明(コミットメント)した場合には、その後する行為に一貫性を保とうとして、人の意思決定に大きな影響を与える。


わかりづらいですね(笑)


一貫性の原理は簡単に言うと、「言った事」と「やった事」を出来るだけ一致させようとする事です。


あるレストランのオーナーが、「予約のドタキャン率」を大幅に下げた事例があります。

この事例も、変えたのは「応対」のみ。お金は一円もかかっていません。

それまでは予約の電話を受ける際に、

「キャンセルなさる時にはお電話をください。」

と言っていたのだが、

「キャンセルなさる時にはお電話をいただけますか?」

に変えた。

「ください」を「いただけますか?」に変えただけです。

この変更でドタキャン率が30%から10%に激減したそうです。

なぜ「いただけますか?」と変えただけで、ドタキャンするお客さんが減ったのか?

「キャンセルなさる時にはお電話をいただけますか?」と、

受付に聞かれたお客さんは何と答えるか?

当然「ハイ」と答える。

たった一言、

「ハイ」とお客さんが答えたことで、

相手は電話することを請け負ったと認知します。例え無意識に当たり前のようにした

小さな約束であったとしても、「その約束を守らないといけない」

という一貫性のルールが働いた。

小さな「ハイ」を相手に言ってもらうことで、一貫性のルールが発動したという訳です。





これを、先ほどの血液検査結果の場合に当てはめてみると

血液検査情報を得る目的を伝えた上で


「次回採血の結果をもってきてください」

と伝えず

「次回採血の結果を持ってきていただけませんか?」

と伝える

「はい」と患者様から返事をいただく。

無意識でも小さな約束をし、一貫性の原理を働かせる。これが今回の答えです。



どれくらい持ってきてくれたかデータを取っておりませんが、感覚的には10人中2人位が、4人位に増えたという感じです

2人から4人とは2倍。それだけ、「最適な薬物療法」と「医薬品の適正使用」を提供できるわけです。

ぜひ、試してみてください❗

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研修認定薬剤師、認定実務実習指導薬剤師、小児薬物療法認定薬剤師、在宅療養支援認定薬剤師、日本在宅薬学会エヴァンジェリスト

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