結論から先に記載します。
私は、タイトルのような質問をされたら、
大分県薬剤師会さんが出版している「母乳と薬ハンドブック」を真っ先に使わせていただいています。
個人的には、情報量が豊富で圧倒的に見やすく、わかりやすく、すぐに調べられるからです。

他にも
・産婦人科診療ガイドライン産科編CQ104ー5授乳中に使用している医薬品の児への影響について尋ねられたら?
https://minds.jcqhc.or.jp/docs/minds/Obstetrical-practice/Obstetrical-practice.pdf
・妊娠と薬情報センターホームページ
https://www.ncchd.go.jp/kusuri/lactation/index.html
・Lact Med
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK501922/
・書籍:妊娠と授乳

上記情報を利用することがあります。

また、医療用医薬品添付文書の授乳婦の項を読むと、多くの薬物に対して「母乳への移行が報告されているので、授乳は控えることが望ましい」と記載されています。
この記載の根拠は、動物実験で母乳移行が見られたからという理由が多く、移行の程度や児への影響まで評価されていないことがあります。

薬剤師としては添付文書の情報だけで判断しないで、上記のような情報源を活用して、
可能な限り使用できる薬の提案をしてあげたいところですよね。
ここからは母乳移行性に関わる因子と指標について下記にまとめてみました。

RID:母乳中の薬剤濃度✖️摂取した母乳量(mg/kg/day)を児の治療量(mg/kg/day)で割って100をかけたものになりますが
→10%以下の薬剤は比較的安全

M/P比:母乳中の薬剤濃度を血漿中の薬剤濃度で割ったもの
1以下の薬剤は母乳移行性が低い

分子量:大きいと母乳に分泌されにくい
半減期:短いと母乳移行性が低い
淡白結合率:高いと母乳中に分泌されにくい
水溶性、脂溶性:水溶性の方が移行性が低い
酸性、アルカリ性:酸性の方が移行性が低い
バイオアベイラビリティ:低いと児の腸管から吸収されにくい

最後に授乳中に投与すべきでないとされる薬について記載します。
抗悪性腫瘍薬、放射性ヨウ素などの放射性物質、アミオダロン、ヨウ化ナトリウム、コカイン

補足、追記、修正などあればご指摘ください。
子を持つ親として少しでもお役に立てれば嬉しいです。

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