第34回【大学教員の仕事とは?】まとめ
第34回 大学教員の仕事は?
ヤクテラスでは様々な分野でご活躍されている薬剤師さんをお招きする「ピックアップ薬剤師」というコーナーがございます。
薬剤師としてのやりがい・楽しみ・マインドなどを、ご本人のメモを通してお話を伺います。
明日からのモチベーションがさらにあがるようなお話があるかもしれません。
第34回 ピックアップ薬剤師
第34回は、 大学教員のAKTさんのご登場です。大学教員の薬剤師さんは初めての登場です。
なんと今年は海外に留学を予定されているキャリアウーマンさんです。
仕事内容や薬学生に対して思っていること、今後のビジョンなど
色々お話を伺いたいと思います。
AKTさんについては、こちらをご参照ください。
AKTさんのプロフィール
これまでの経歴は?
6年制の大学を卒業後、その大学の大学院に残る。
現在、自身が通った大学で教員をしている。
大学教員の役職の順番は?
①教授(研究室のトップ)
②准教授
③講師
④助教
⑤助手
AKTさんはやはり教授を目指しているの?
出世意欲があるわけではないが、自分は恵まれていて、上司の考えや方向性もマッチしている。
将来的には自分の考えを伝えられる研究室を持ちたいと持っている。
自分の考えとは、どのような考え方?
SBOなどコアカリキュラムに囚われすぎている。
優秀な学生は伸び代がある子でもコアカリキュラムに囚われてばかりなので、
もっと可能性のあるところを伸ばしてあげたいと思う。
勉強が苦手な学生に、勉強のhow toを教えてあげたい。
科目横断的な学習法を指導して、自信をつけてあげたい。
教育と研究はどちらも大切だと思うが、別物?それとも繋がっている?
繋がっていると思うので切り離して考えることは出来ない。
下の職位の人は研究も授業もするが、研究の方がウェイトがかかる。
(職位が高くなれば、講義が多くなる。)
研究と教育の観念で見た時、学生も含めて一緒に研究しているので、
教員と学生とがお互いに良い関係で研究も教育も出来るよう意識している。
学生を見ながら思うことは、意外と良い意味で負荷をかけても
一生懸命頑張ってくれて伸びていくということ。
逆に学生に気付かされて、勉強させてもらえることも多い。
負荷をかけ、モチベーションを与えないといけないけど
過度にやりすぎるとパワハラになる…
その辺りのバランスはどのように考えている?
基本的に学生の能力、伸びしろは高いと信じている。
学生によっては、パワハラなど感じる基準が違うかもしれないが、
学生が実験や課題が進まないという時、
全ての責任は教えている自分にあると思っている。
学生の特徴に合わせて指導するようにしている。
言ったことをやってもらうだけの教育はしないようにしている。
自分は、学生が自ら考えるようにサポートしたり、軌道修正をする指導方針。
自分自身も困ったときは上司のメンターになる相談をしている。
伸び代のある学生の特徴は?
学生の環境要因も多く影響していると思う。
特にコミュニケーションが取れるかは大きい。
できない時に自らヘルプを出せる学生は伸びる。
自分だけで頑張ってやろうとして、人に頼れない子は伸びない。
人にアドバイスをもらうだけで、”こんな考え方もあったんだ”と気付けるので。
仕事において、入職した時と
目の当たりにしている現実とは違っているところはある?
今は自分のやりたいことをやれているとは思う。
大学の頃、就職も考えていて薬局や病院の見学に行った時、
すぐに自分はこの道に行かないと直感的にすぐ思った。
どうしても資本主義の世界に同調できないと思ってしまった。
病院でも患者さんがいなくなってくれれば良いけど
保険点数を考えながら仕事は出来ないと思った。
お金を考えず、夢のある学生に教えて
世界に貢献できる研究もできる教員の道があっていると思った。
少なくとも自分の教えている学生には
自分の夢を伝えて同調してくれる学生もいて、
自分のやりたいことが叶っていて幸せ。
どんな家庭環境?
医療系の家ではない。
母が海外留学あり、いろんな話をたくさんしていた。
父も本をたくさん読んでいて、いろんな話をして意見を常に求められていた。
自分で行動して情報を集めて考えた上で、自分の一番行きたい道を選んだ。
失敗したとしても自分が選んだことに責任を持っている。
自分の周りに6年制を卒業後、大学院に残る人が少なく、
将来どうなるか不安もあったが、そんな時、家族が背中を押してくれた。
常に自身の意見を持ち、自ら行動できるようにしてくれたと思う。
臨床と基礎の教員は考え方が違う?
主観になるが、基礎の先生は論文を出すことに力を入れている。
大学進学を悩んでいる学生で、基礎研究に興味のある学生には、大学院行って一緒に研究しようと伝える。
マッチするととても良いと思う。
臨床の先生はそれぞれの考え方によって違う。
教えることが好きな先生が多いと思う。
私立大学は薬剤師を輩出することを第一目的。
国立は研究と国が定めている。
教員になりたい学生もいると思う。
ポジションがないなどの不安もあると思うけど、
そんな人に向けたメッセージはある?
教員になるためには博士号が必要になる。
ある程度、薬剤師として経験を積んで博士号を取る人もいるので
博士号を取る年齢適齢期は特にない。
サポートする環境のある場所で働いて研究をする、
学位を取ることを先行したら良いと思う。
女性は結婚して子供が産まれてなどを考えると
女性は早く取った方がいいと思う。
教員になるタイミングも、すぐなりたいのか、
経験を積んでなりたいのかをイメージを持つことが大事。
すぐなりたいたなら、大学院の段階でコネクションを作っておくと良い。
社会人になってなら、どれだけ一生懸命やってきたかの過程を続ける。
日常の中に研究を取り入れてペーパーを出していくことが大切。
結構、教員になりたくても、頭が良くないから…など
不安がる人もいるかもしれないが、
主体性を持って頑張る肉食系な気持ちを持って進むことが大事だと思う。
どんな学生だった?
ほぼほぼ経験できることは全部やってきたと思う。
偉そうだけど自分の信念をしっかり持っていた。
先生に対してもおかしいと思うことがあれば、怖気づかずに意見をした。
学生の頃、パッションに溢れていると言われた事がある。
社会人になって働いて、色んな現実を見ていく中
昔持っていた情熱が薄れていくことがある。
情熱の灯をずっと持ち続けることが社会人には大切だと思う。
今後どんな道に進む?
アメリカに留学する予定。
日本とアメリカの薬学を取り巻く違いを見つつ、
臨床研究やビックデータを扱いながら、
有効性や安全性などに関する研究していけたらなと。
資本主義に巻き込まれない生活をしていきたい。
また、自身が6年制の一期生なので、これまで頑張って来たんだという
自負を持ちながら、謙虚に、着実に色々とチャレンジしていきたい。
ボトムアップをして、薬剤師の職能を上げて、
他の職種と同等にやっていければと。
そのような薬剤師を輩出していきたい。
どうゆう経緯がそのメンタルや情熱の強さに繋がっていると思う?
矛盾していること、自分が納得出来なかったり疑問に思っていることを
客観的に問いかけたり、家族や先生、友達に相談したりしていた。
自分の疑問だどを受け止めてくれる人がいるってことは大事だと思う。
疑問に対して懐疑的に見て、アウトプットする。
助けを求めるのも大事。
AKTさんにとって、薬剤師とは?
情熱の灯を心に持ち続け、
健康な人にも、病な人にも心から寄り添える
学びをやめない人。
→第34回WEEKLY YAKUTERRACE(大学教員薬剤師) - YouTube
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